以下のような症状がある場合には内視鏡検査をおすすめします

胃痛

胃痛の原因

胃痛のイメージ

多くの方が訴える胃痛というのは、みぞおち付近に感じる痛みのことで、人によって、キリキリ、シクシク、ギューッと締め付けられるように痛いなど訴えは様々です。痛む原因としては主に3つのことが挙げられます。

ひとつはストレスです。人はストレスを感じるようになると自律神経を乱すようになるのですが、これによって胃や十二指腸のコントロールが難しくなって、胃酸が過剰に分泌し、それによって胃や十二指腸の粘膜を傷つけるようになります。それに対する痛みというのがあります。

2つ目は、普段の食生活からくる胃痛です。暴飲暴食、香辛料など刺激が強いものや高脂肪食を好んで食べる、お酒の飲み過ぎといったことも胃酸を過剰に分泌させ、これによって粘膜を傷つけ、炎症を起こすなどして胃痛が現れます。

最後は、ピロリ菌の感染によるものです。ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリで、多くはまだ強い酸性下にない幼少期の胃に感染し、その後は自らが出すウレアーゼという酵素によって、胃内の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解し、アンモニア(アルカリ性)を胃酸に中和させることで成人になっても(ピロリ菌は)胃の中で生息し続けることを可能としています。アンモニアは胃粘膜を傷つけやすく、ピロリ菌が生息する限りアンモニアは産生され続けるので、慢性胃炎を起こしやすくなります。この状態を放置すれば胃潰瘍、さらに胃がんになることもあります。ピロリ菌感染によるこれら疾患に対する胃痛というのもあります。

胃痛の症状がみられる主な消化器疾患

●急性胃炎

胃の粘膜が急に炎症やただれを起こしてしまう状態を言います。発症の原因としては、暴飲暴食、食中毒(アニサキス症)、アルコール、ストレス、薬剤、ピロリ菌感染などによって引き起こされます。主な症状は、みぞおち周辺の痛み、胃もたれ、吐き気、むかつきで、ある程度症状が進むと、吐血、下血などもみられるようになります。症状が軽度であれば、胃を休ませることで落ち着くようになります。

●慢性胃炎

胃粘膜の炎症が長い間持続している、あるいは長期間に渡って繰り返されている状態を言います。原因としては、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染していることが多いですが、そのほかにも暴飲暴食、繰り返しのストレスによる影響といったことで発症することもあります。胃痛以外の症状としては、胃もたれ、胸やけ、吐き気、食欲不振などもみられます。ピロリ菌が原因の場合は、胃潰瘍や胃がんへ進行することもあるので、早めに除菌治療を行うようにしてください。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が主に胃酸によって傷ついてしまい、ただれてしまっている状態を言います。発症の原因としてはピロリ菌に感染している、薬剤の使用(NSAIDs、ステロイド薬 など)、ストレス、喫煙といったことが挙げられます。主な症状は胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛みで空腹の状態に起きやすい)をはじめ、胸やけ、腹部の膨満感、食欲不振、吐き気のほか、吐血や下血、真っ黒な色をした便がみられることもあります。

検査・治療

検査に関してですが、まず胃痛の原因を特定させるため患者様に対して、痛みが起きた時期や、どの程度の痛みなのかといったことを問診していきます。医師が必要と判断すれば、血液検査、腹部超音波検査、上部消化管内視鏡(胃カメラ)などの検査もしていき、診断をつけていきます。胃痛の症状で治療をするケースというのは、薬物療法が中心です。ただ症状があまりにもひどいとなれば、外科的治療(手術療法)が必要になることもあります。

胸やけ

胸やけの原因

胸やけのイメージ

みぞおちあたりに不快さを感じ、何か熱いものが込み上げてくるような感覚がある。このような症状を胸やけと言います。この場合、胃の中の胃酸(胃液)が、何かしらの原因によって食道の部分へと逆流し、それによって食道の粘膜が刺激を受け、炎症などが起き、ただれているということが考えられます。胃の中というのは、強い酸性下にあるわけですが、胃の粘膜(内壁)はそれに耐えられる構造になっています。その一方で食道はそのような耐性はありません。したがって胃酸が逆流してしまうようなことがあると粘膜が刺激を受け、胸やけを引き起こすようになるのです。病気以外では、内服している薬剤が原因で起きることもあります。

胸やけの症状がみられる主な消化器疾患

●食道裂孔ヘルニア

胸腔と腹部の境目にある薄い筋肉の膜のことを横隔膜と言います。横隔膜には穴が開いているのですが、これを食道裂孔(食道が通る穴)と言います。ここを通って腹部に至り胃の中に食物が運ばれるようになります。食道裂孔は筋肉や靱帯で構成されているのですが、この穴が先天的あるいは加齢によって緩くなるなどして、胃の一部が横隔膜にはまり込んでいる状態を食道裂孔ヘルニアと言い、この場合は胃酸が逆流することもあります。主な症状は、胸やけのほか、胸痛や胸のつかえ感なども起きるようになります。

●逆流性食道炎

胃と食道をつなぐ部分には下部食道括約筋という筋肉があります。これは胃酸や胃に入った食物が食道に逆流するのを防ぐ働きがあります。ただ、この筋肉が何らかの原因によって緩んでしまい、それによって胃酸や消化中の食べ物が食道へと逆流し、胃酸の刺激によって食道に炎症やただれが起きる状態のことを逆流性食道炎と言います。下部食道括約筋が緩んでしまう原因としては、高脂肪食の摂り過ぎ、食べた後にすぐ横になる、アルコールやカフェイン(お茶・コーヒー など)の過剰摂取、喫煙、ウエスト部分をベルトなどできつく締めすぎるといったことが挙げられます。よくみられる症状ですが、胸やけ以外では、胸痛、呑酸(酸っぱいものが込み上げる)、物を飲み込みにくい、咳などです。

●食道がん

食道の粘膜に発生するがんになります。発症初期は自覚症状が出にくいので気づきにくいという特徴もあります。発症原因については、熱い飲食物を好んでよくとっている、喫煙、多量の飲酒などが挙げられます。また病状がある程度進行するようになると、胸やけのほかにも、飲み込む際につかえを感じる、体重の減少、胸部の違和感などがみられるようになります。

検査・治療

胸やけの症状を訴えている場合も診断をつけるための検査として、血液検査や上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行います。血液検査は、消化器系以外の病気の可能性も確認するために行っていきます。胃カメラは、胸やけの症状によって、食道や胃などがどのような状態にあるかを調べるために行います。また治療に関してですが、この場合は薬物療法を用いることが大半ですが、症状があまりにもひどいとなれば外科的治療(手術療法)が検討されることもあります。

吐き気

吐き気の原因

吐き気のイメージ

吐き気とは、胃の中にある消化物などを戻したくなるような状態のことを言います。別の呼び方として「悪心」または「嘔気」と言うこともあります。そもそも吐き気というのは、脳内にあるとされる嘔吐中枢が刺激を受けることで起きるとされ、それが大きすぎると吐くようになるわけですが、これを嘔吐と言います。
原因については、ストレス、暴飲暴食、妊娠(つわり)、食中毒、食あたり、何らかの病気による一症状、薬による副作用など様々あるわけですが、消化器疾患によって起きるとされる吐き気には以下のようなものがあります。

吐き気の症状がみられる主な消化器疾患

●急性胃炎

胃の粘膜が急に炎症やただれを起こしてしまう状態を言います。発症の原因としては、暴飲暴食、食中毒(アニサキス症)、アルコール、ストレス、薬剤、ピロリ菌感染などによって引き起こされます。主な症状は、みぞおち周辺の痛み、胃もたれ、吐き気、むかつきで、ある程度症状が進むと、吐血、下血などもみられるようになります。症状が軽度であれば、胃を休ませることで落ち着くようになります。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が主に胃酸によって傷ついてしまい、ただれてしまっている状態を言います。発症の原因としてはピロリ菌に感染している、薬剤の使用(NSAIDs、ステロイド薬 など)、ストレス、喫煙といったことが挙げられます。主な症状は胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛みで空腹の状態に起きやすい)をはじめ、胸やけ、腹部の膨満感、食欲不振、吐き気のほか、吐血や下血、真っ黒な色をした便がみられることもあります。

●胃がん

主に胃粘膜の腺細胞より発生するがんのことで、発症初期は自覚症状が現れにくいので、この時点で気づく患者様は、胃カメラ(上部消化管内視鏡)による検査で発見されることが多いです。ただ病状がある程度まで進行すると消化管が狭まるなどするので、それによって吐き気や胃痛、胸やけ、胃もたれ、腹部膨満感、食欲不振などの症状がみられるようになります。なお発症の原因やリスクとして考えられているのが、ピロリ菌感染による委縮性胃炎をさらに進行させたケースをはじめ、喫煙、塩分の多い食生活などが挙げられます。

●虫垂炎

一般的には盲腸と呼ばれている病気です。虫垂とは、人の右の下腹部にある部位のことで、細菌に感染することで発症するようになります。主な症状は腹痛、発熱、嘔吐・吐き気などです。なお急性虫垂炎の場合は、突然の腹痛から右下腹部に痛みが集中するようになります。また慢性虫垂炎でも下腹部痛が起きますが、何日か痛みが続いた後で痛みが治まるということがあります。病状を悪化させると腹膜炎を起こすようになります。

●腸閉塞

腸管が何らかの原因によって塞がってしまい、消化物が通りにくい状態になっている場合を腸閉塞と言います。このような状態になると消化液などが留まってしまうことから、吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満感、便秘などの症状がみられるようになります。なお原因や発症しやすいタイプについては、かつて腹部に手術を受けた際の後遺症、大腸がんを発症している、ヘルニアなどが挙げられます。

●肝炎、膵炎、胆石症とは

肝炎ウイルスに感染したことによる肝炎(ウイルス性肝炎)、膵臓が作り出す消化液や消化酵素の影響によって発症する急性あるいは慢性の膵炎、胆のう内に砂粒のような塊(胆石)が発生する胆石症の場合でも、吐き気・嘔吐、腹痛、食欲不振といった症状はみられるようになります。

●腹膜炎

腹膜とは臓器を覆っている膜のことで、もう少し具体的に言うと、胃、肝臓、小腸、大腸などを覆っています。この腹膜が腸閉塞などによって消化液に触れる、胃潰瘍などによって穿孔し、細菌に感染するなどして、腹膜に炎症が起きている状態が腹膜炎です。主な症状は、吐き気・嘔吐のほか、発熱、腹痛、腹部膨満感、便秘などもみられます。症状を悪化させると命に影響することもあります。

検査・治療

患者様の症状(吐き気 等)や訴えなどから医師が必要と判断すれば、腹部X線検査(レントゲン撮影)、腹部超音波検査(腹部エコー)、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)などを行っていきます。腸閉塞が疑われる場合はレントゲン、胆石症なら腹部エコー、胃や食道の異常が考えられる場合は胃カメラによる検査をしていきます。原因が特定できない、消化器疾患以外も考えられるという場合は血液検査をすることもあります。検査の結果、診断がつけられると各々の疾患に対する治療(主に薬物療法)を行っていきます。場合によっては、外科的治療が必要となることもあります。

食欲不振

食欲不振とは

食欲不振のイメージ

食べたいという気持ちがわかない、食欲が減退している状態を言います。原因としては、消化管の消化あるいは吸収する機能が低下している(胃もたれ、便秘、下痢、吐き気・嘔吐 など)、ストレスによって副交感神経の働きが抑制されている、甲状腺ホルモンの分泌が低下するなどの病気のほか、加齢による筋力の衰えからくる運動量の低下からの消費エネルギーの減少ということもあります。

なお、食欲不振の症状がみられる消化器疾患としては、以下のようなものがあります。

食欲不振の症状がみられる主な消化器疾患

●慢性胃炎

胃粘膜の炎症が長い間持続している、あるいは長期間に渡って繰り返されている状態を言います。原因としては、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染していることが多いですが、そのほかにも暴飲暴食、繰り返しのストレスによる影響といったことで発症することもあります。胃痛以外の症状としては、胃もたれ、胸やけ、吐き気、食欲不振などもみられます。ピロリ菌が原因の場合は、胃潰瘍や胃がんへ進行することもあるので、早めに除菌治療を行うようにしてください。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が主に胃酸によって傷ついてしまい、ただれてしまっている状態を言います。発症の原因としてはピロリ菌に感染している、薬剤の使用(NSAIDs、ステロイド薬 など)、ストレス、喫煙といったことが挙げられます。主な症状は胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛みで空腹の状態に起きやすい)をはじめ、胸やけ、腹部の膨満感、食欲不振、吐き気のほか、吐血や下血、真っ黒な色をした便がみられることもあります。

●胃がん

主に胃粘膜の腺細胞より発生するがんのことで、発症初期は自覚症状が現れにくいので、この時点で気づく患者様は、胃カメラ(上部消化管内視鏡)による検査で発見されることが多いです。ただ病状がある程度まで進行すると消化管が狭まるなどするので、それによって吐き気や胃痛、胸やけ、胃もたれ、腹部膨満感、食欲不振などの症状がみられるようになります。なお発症の原因やリスクとして考えられているのが、ピロリ菌感染による委縮性胃炎をさらに進行させたケースをはじめ、喫煙、塩分の多い食生活などが挙げられます。

検査・治療

患者様にみられる食欲不振などの症状を注意深く観察し、疑われる病気に対して診断をつけやすいとされる検査を行っていきます。具体的には胃潰瘍・胃がん、食道がんの可能性が考えられるのであれば、上部消化管内視鏡検査をしていきます。また患者様の胃や腸の動きを調べたい場合は、腹部X線撮影(レントゲン検査)を行い、これらに関連した腹腔内のガス像などを確認していきます。また、消化を助ける臓器でもある、肝臓、膵臓、胆のうに何らかの病気が考えられる場合は、腹部超音波検査をしていきます。検査の結果、食欲不振の原因が消化器など臓器の機能異常の可能性があるとなれば、まず薬物療法を行い、経過観察していくなどしていきます。

胃もたれ

胃もたれとは

胃もたれのイメージ

胃がもたれるとは、胃が重苦しい状態にあるほか、お腹が膨れている感覚を訴える方もよくいます。このほか、吐き気や胸のつかえ感も含んでいることもあります。このような場合、胃自体の運動機能の低下、胃液の分泌量の減少が起きていることが考えられます。

胃もたれの症状が起きる原因としては、高脂肪食や暴飲暴食(アルコールの過剰摂取)、香辛料などの刺激物などによる胃にかかる過度な負担、加齢や運動不足による蠕動運動の衰え、あるいはストレスによる副交感神経の働きの低下に連動して蠕動運動も停滞し、胃酸の分泌も十分でなくなることで胃もたれになることもあります。このほか、胃や腸といった消化器が何らかの病気に罹患して起きることもあります。

胃もたれの症状がみられる主な消化器疾患

●胃がん

主に胃粘膜の腺細胞より発生するがんのことで、発症初期は自覚症状が現れにくいので、この時点で気づく患者様は、胃カメラ(上部消化管内視鏡)による検査で発見されることが多いです。ただ病状がある程度まで進行すると消化管が狭まるなどするので、それによって吐き気や胃痛、胸やけ、胃もたれ、腹部膨満感、食欲不振などの症状がみられるようになります。なお発症の原因やリスクとして考えられているのが、ピロリ菌感染による委縮性胃炎をさらに進行させたケースをはじめ、喫煙、塩分の多い食生活などが挙げられます。

●ヘリコバクター・ピロリ感染

ヘリコバクター・ピロリは、一般的にはピロリ菌と呼ばれるもので、胃内で生息する体長4ミクロン(4/1000㎜)程度の細菌です。そもそも胃の中というのは、強力な酸性状態にあるので生物にとっては厳しい環境下にあるわけですが、ピロリ菌はそれほど酸性が強い状態にない幼少期の子どもの時期に口から侵入します(主にピロリ菌感染者の成人からの口移し など)。侵入後はピロリ菌自らが産生するウレアーゼと呼ばれる酵素で胃内の尿素を二酸化炭素とアンモニア(アルカリ性)に分解し、これによって胃酸は中和され、生息し続けることができるようになるのです。

なおピロリ菌に感染して間もない時期というのは、自覚症状が現れることはありません。ただこの状態が長期に渡って持続すると胃粘膜に慢性的な炎症(慢性胃炎)が起きるなどして、胃もたれや吐き気、食欲不振、空腹時などに腹痛といった症状が繰り返し起きるようになります。ちなみに慢性胃炎の原因の多くは、ピロリ菌の感染によるものです。

●慢性胃炎

胃粘膜の炎症が長い間持続している、あるいは長期間に渡って繰り返されている状態を言います。原因としては、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染していることが多いですが、そのほかにも暴飲暴食、繰り返しのストレスによる影響といったことで発症することもあります。胃痛以外の症状としては、胃もたれ、胸やけ、吐き気、食欲不振などもみられます。ピロリ菌が原因の場合は、胃潰瘍や胃がんへ進行することもあるので、早めに除菌治療を行うようにしてください。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)

原因と特定できる病変などが検査(胃カメラ など)をしても見つからないにも関わらず、胃もたれをはじめ、胃痛(みぞおちの痛み など)、吐き気、腹部膨満感などの症状がみられている状態を言います。発症の原因としては、精神的なストレス、胃酸が過剰に分泌している、胃や十二指腸の運動機能の低下、あるいは知覚過敏といったことが挙げられます。

検査・治療

患者様にみられている症状や訴えなども聞き、必要に応じて上部消化管内視鏡(胃カメラ)、消化管以外の病気の可能性も調べる血液検査等を行うなどして、診断をつけていきます。その後は、疾患に応じた治療を行っていきます。なお胃カメラでの検査で、炎症などの病変が見当たらないのに胃もたれなどの症状が続いているという場合は、機能性ディスペプシアと診断され、胃の運動機能を改善させる薬の使用や生活習慣の改善などが行われることがあります。

腹痛

腹痛とは

腹痛のイメージ

腹痛とはお腹が痛い状態のことで、主にみぞおちの周辺から下腹部の辺りまでに起きる痛みのことを言います。また、我慢できない激痛もあれば、鈍痛が長く続くなど、痛みの程度も人それぞれです。気になる腹痛があれば、速やかにご受診されるようにしてください。また腹痛を訴える患者様の多くは、発熱、嘔吐・吐き気、下痢、腹部のハリなどの症状も併せてみられることが多いのも特徴です。

腹痛の症状が起きる場合、その多くは消化器疾患が多いですが、ウイルスや細菌が腸などに感染する感染性腸炎、尿管結石、腹膜炎(虫垂炎 など)、大動脈瘤、膀胱炎、腎盂腎炎といった病気の可能性もあります。このように腹痛は幅広く、必ずしも消化器疾患でないこともありますが、気になる場合はまず消化器内科をご受診ください。

腹痛の症状がみられる主な消化器疾患

●感染性腸炎

主にウイルス、細菌、寄生虫などの病原体に腸管が感染してしまうことで発症する病気のことを言います。腹痛以外にも、嘔吐・吐き気、下痢、発熱などもみられるようになります。なおウイルスと一口に言いましても様々あるわけですが、よく引き起こすと言われるのがノロウイルスやロタウイルス(乳児や幼児に発症しやすい)、腸管アデノウイルスです。ちなみに細菌では、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌等の他、寄生虫ではアメーバなどが挙げられます。また感染性腸炎で腹痛を訴える場合、下腹部もしくはへその周囲に症状がみられるようになります。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が主に胃酸によって傷ついてしまい、ただれてしまっている状態を言います。発症の原因としてはピロリ菌に感染している、薬剤の使用(NSAIDs、ステロイド薬 など)、ストレス、喫煙といったことが挙げられます。主な症状は胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛みで空腹の状態に起きやすい)をはじめ、胸やけ、腹部の膨満感、食欲不振、吐き気のほか、吐血や下血、真っ黒な色をした便がみられることもあります。

●虫垂炎

一般的には盲腸と呼ばれている病気です。虫垂とは、人の右の下腹部にある部位のことで、細菌に感染することで発症するようになります。主な症状は腹痛、発熱、嘔吐・吐き気などです。なお急性虫垂炎の場合は、突然の腹痛から右下腹部に痛みが集中するようになります。また慢性虫垂炎でも下腹部痛が起きますが、何日か痛みが続いた後で痛みが治まるということがあります。病状を悪化させると腹膜炎を起こすようになります。

●過敏性腸症候群(IBS)

胃や腸といった消化器官には、これといった異常は認められないものの、腹痛、下痢、便秘などの消化器症状が繰り返し起きている状態で、3ヵ月以上続いていると過敏性腸症候群と診断されます。同疾患は、ストレスやプレッシャーなどの精神的な不安や緊張などが、自律神経の働きに影響し、これが腸の運動を過剰にさせる、あるいは鈍らせるなどすることで、上記の消化器症状が起きるようになると言われています。

●腸閉塞

腸管が何らかの原因によって塞がってしまい、消化物が通りにくい状態になっている場合を腸閉塞と言います。このような状態になると消化液などが留まってしまうことから、吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満感、便秘などの症状がみられるようになります。なお原因や発症しやすいタイプについては、かつて腹部に手術を受けた際の後遺症、大腸がんを発症している、ヘルニアなどが挙げられます。

検査・治療

腹痛の原因とされる疾患を特定するための検査としては、血液検査(炎症や貧血の有無を調べる)をはじめ、腹部X線検査(レントゲン撮影)や腹部超音波検査(腹部エコー)などの画像検査、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)等によって、診断をつけていきます。原因が特定した場合は、その疾患に対する治療を行います。検査で異常がみつからなければ、過敏性腸症候群が考えられます。その際は、薬物療法や生活習慣の改善などを行っていきます。また原因が特定しない場合は、腹痛を抑える対症療法として鎮痛剤を使用し、経過観察で様子をみるということもあります。

下痢

下痢とは

下痢のイメージ

健康とされる便に含まれる水分の量というのは、全体の6~7割程度と言われています。これが様々な原因によって、さらに水分が含まれる量が多くなると軟便や下痢となります。ちなみに排出した便の9割以上が水分の量という場合を水様便と言いますが、これは一般的には下痢便と呼ばれています。なお下痢と一口に言いましても、大きく2つに分類されます。具体的には、急激で短期間内(2週間以内)に発生する急性下痢と、4週間以上継続している慢性下痢です。

なお発生の原因については、細菌やウイルスなどの病原体が腸に感染するといったことをはじめ、暴飲暴食、刺激の強い食べ物(香辛料 など)を好んで食べる、ストレスのほか、クローン病や大腸がんといった消化器疾患などが考えられます。

下痢の症状がみられる主な消化器疾患

●過敏性腸症候群(IBS)

胃や腸といった消化器官には、これといった異常は認められないものの、腹痛、下痢、便秘などの消化器症状が繰り返し起きている状態で、3ヵ月以上続いていると過敏性腸症候群と診断されます。同疾患は、ストレスやプレッシャーなどの精神的な不安や緊張などが、自律神経の働きに影響し、これが腸の運動を過剰にさせる、あるいは鈍らせるなどすることで、上記の消化器症状が起きるようになると言われています。

●潰瘍性大腸炎

原因をはっきり特定することができないとされる非特異性腸炎のひとつです。クローン病と共に炎症性腸疾患とも呼ばれます。この場合、大腸の粘膜に炎症が起き、びらん(ただれている)や潰瘍もみられ、良くなったり悪くなったりを繰り返すようになります。主な症状は下痢のほか、腹痛、血便(下痢に血が混じりやすい、長く続けば貧血の原因にもなる)、関節痛、体重減少などです。

●大腸ポリープ

大腸内部(粘膜)に発生したこぶのような突起物のことを言います(大きさ、形、発生部位は様々)。発生の原因は不明な場合もありますが、遺伝子異常で起きることもあります。またポリープの大半は良性腫瘍ですが、稀に大腸がんになることもあります。主な症状ですが、自覚症状は現れにくいと言われますが、ポリープが発生した場所や大きさによっては下痢や便秘などの便通異常が起きるほか、腸内を便が通過する際にポリープに擦れて出血、それによる血便がみられることもあります。大腸カメラによる検査でポリープが見つかった場合、検査中に切除するという場合も少なくないです。

食中毒やお腹の風邪

下痢は何らかの消化器疾患の一症状として起きるだけとは限りません。例えば、サルモネラ菌やO-157に汚染された食品を食べる(いわゆる食中毒)、あるいはロタウイルスやノロウイルスといったウイルスに腸管が感染する(お腹の風邪とも言われる)ことで、激しい下痢に見舞われることもあります。ちなみに、これらの状態にある場合は、発熱、嘔吐、腹痛などの症状も併発することがほとんどです。

検査・治療

下痢の状態を調べる(患者様から排便時の色や臭いを聞く 等)などして、原因をある程度特定していきます。大腸に炎症が疑われる場合は、大腸カメラを用いて調べることもあります。

これらの結果、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎など何らかの疾患の診断がついた場合は、薬物療法を用いるなどして症状を軽減させていきます。また下痢の症状が続くと体内の水分が不足し、脱水症状になりやすいので、水分補給も適宜行うようにしてください。

便秘

●便秘とは

便秘のイメージ

便通いわゆるお通じのことですが、これは毎日あることが健康の条件のひとつとされています。なお便秘の定義に関してですが、日本内科学会によると排便が3日以上ない、もしくは毎日排便があったとしても残便感がある場合としています。ちなみに各学会によって便秘の基準はまちまちでもあります。ただ、いずれにしても排便が毎日ないという状態が便秘であるということはありません。

便秘の原因については、胃、腸、肛門などの消化管に何らかの病気があって、それによって起こる一症状(器質性便秘)という可能性のほか、大腸の働きが低下してしまうことで発症するケース(機能性便秘)もあります。

機能性便秘の場合は、便意を常に我慢し過ぎることが習慣化し、直腸に便が溜まっても便意を感じない(直腸性便秘)、または食物繊維が多い食品の摂取不足や運動不足からの腸の蠕動運動の低下による便秘(弛緩性便秘)、あるいはストレスなどの影響で自律神経が乱れ、それによって腸がけいれんを起こすなどして便通がスムーズにいかない(けいれん性便秘)ということが挙げられます。

便秘の症状がみられる主な消化器疾患

●大腸がん

結腸や直腸に発生するがん(悪性腫瘍)を大腸がんと言います。日本人の食の欧米化が進んだことで、発症率が上昇してきたとされる疾患で、このほか食物繊維の摂取が足りないことも影響していると言われています。発症初期から自覚症状がみられることは少ないですが、ある程度まで病状が進行すると腹痛、血便のほか、下痢や便秘を繰り返す、便が細くなるなどの症状がみられるようになります。上記の症状がみられたら、早めに医療機関を受診されるようにしてください。

●過敏性腸症候群(IBS)

胃や腸といった消化器官には、これといった異常は認められないものの、腹痛、下痢、便秘などの消化器症状が繰り返し起きている状態で、3ヵ月以上続いていると過敏性腸症候群と診断されます。同疾患は、ストレスやプレッシャーなどの精神的な不安や緊張などが、自律神経の働きに影響し、これが腸の運動を過剰にさせる、あるいは鈍らせるなどすることで、上記の消化器症状が起きるようになると言われています。

●腸閉塞

腸管が何らかの原因によって塞がってしまい、消化物が通りにくい状態になっている場合を腸閉塞と言います。このような状態になると消化液などが留まってしまうことから、吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満感、便秘などの症状がみられるようになります。なお原因や発症しやすいタイプについては、かつて腹部に手術を受けた際の後遺症、大腸がんを発症している、ヘルニアなどが挙げられます。

●痔

痔も便秘によって発症しやすくなります。この場合、便を排出しようといきんでしまいがちになりますが、これによって肛門に強い圧力が生じ、肛門周囲がうっ血してしまうことになります。これが痔核(いぼ痔)の原因となります。また便秘では便が硬くなりがちですが、これによって排便時に肛門を傷つけ、それによる出血などから裂肛(切れ痔)を発生させるということもあります。そのため便秘が長引くと、痔の悪化や発症させるリスクは高まります。主な症状は、肛門からの出血、痛み、化膿などです。

検査・治療

便秘の診断をつけるための検査としては、腸内にどれだけ便が溜まっているかを調べるほか、腸閉塞も確認できる腹部X線撮影(レントゲン検査)を行います。また便秘の症状というのは、大腸がんや過敏性腸症候群の可能性もありますので、それら発症の有無を調べるために大腸カメラを行うこともあります。

治療に関しては、便秘を起こしている原因疾患が判明すれば、それに対する治療が行われます。便秘自体を解消したい場合は薬物療法として、便を柔らかくする薬、腸を刺激して排便しやすくする薬(浣腸 など)のほか、整腸剤(腸内細菌のバランスを整える)などが用いられます。

血便

血便とは

血便のイメージ

便に血液が混じって一緒に排出されている状態を血便と言います。この場合、はっきり肉眼でわかることもあれば、健康診断などで行う便潜血検査で陽性の判定を受けて判明することもあります。

血便の種類としては、見た目ではっきり確認できる鮮血便をはじめ、大腸の奥の方で出血があって、その後大腸を通って(ある程度時間が経過)排出されたことでどす黒い赤色の便として確認できる暗赤色便、血液だけでなくドロドロした粘液も便にまとわりついている粘血便(炎症性腸疾患や感染性腸炎の可能性がある)、まるでタールのような真っ黒の便を排出する黒色便(胃のあたりからの出血が考えられる)に分類することができます。

血便の症状がみられる主な消化器疾患

●裂肛(切れ痔)、痔核(いぼ痔)

裂肛は一般的には切れ痔と呼ばれるもので、便秘による硬い便や勢いが良い下痢便などを排出することによって、肛門周囲の皮膚が裂けて出血している状態です。主な症状は、出血、排便時に痛みといったもので、排便時に血が混じることもあります。

また痔核は、一般的にいぼ痔と呼ばれているもので、肛門付近にある血管がうっ血し、いぼのような腫瘤を形成します。なお肛門の歯状線より中に発生している場合を内痔核、外に発生している状態を外痔核と言います。発症の原因については、便秘、排便時にいきむ、長時間座り続けているといったことが挙げられます。主な症状ですが、内痔核にしても外痔核にしても出血するようになりますので、排便時に鮮血便がみられることがあります。また内痔核は、初期は痛みを感じませんが、肛門を飛び出すほど大きくなって常に脱出した状態になって炎症を起こすなどして痛みが強く出るようになります。外痔核は、肛門の外側に発生するので発生時から痛むようになり、腫れるとさらに増していきます。

●胃潰瘍

主に胃酸(胃液)によって胃の粘膜が損傷し、それによって胃がただれ、その内壁がえぐれている状態が胃潰瘍です。発症原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、薬剤(NSAIDs、ステロイド薬 など)、喫煙、ストレスの影響によって発症することもあります。胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛み)のほかには、吐き気や吐血、胃もたれ、食欲不振、潰瘍(ただれた部分)からの出血、真っ黒な色をした便、穿孔(胃に穴が開く)なども現れるようになります。

●十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が主に胃酸によって傷ついてしまい、ただれてしまっている状態を言います。発症の原因としてはピロリ菌に感染している、薬剤の使用(NSAIDs、ステロイド薬 など)、ストレス、喫煙といったことが挙げられます。主な症状は胃痛(みぞおち周囲から脇腹にかけての痛みで空腹の状態に起きやすい)をはじめ、胸やけ、腹部の膨満感、食欲不振、吐き気のほか、吐血や下血、真っ黒な色をした便がみられることもあります。

●虚血性腸炎

大腸にある末梢血管の血流が悪くなってしまうことで、大腸に炎症や潰瘍、壊死などがみられる状態を虚血性腸炎と言います。発症の原因としては、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症 等)をきっかけとした動脈硬化によって血管が硬くなった影響をはじめ、便秘、ストレス、血管炎などがあります。主な症状は、急激に起きる腹痛、鮮血を伴うとされる下痢、嘔吐・吐き気といったものがみられるようになります。

●大腸憩室出血

大腸の内壁が外側の方向に飛び出して袋状の膨らみを形成している状態を大腸憩室と言います。この部分に炎症が起きると大腸憩室炎、出血が起きていると大腸憩室出血と診断されます。大腸憩室が発生する原因としては、便秘などによって大腸内の圧力が高くなった状態で維持されている、加齢によって腸壁が大腸内の圧力に耐えられなくなって起きるということがあります。なお憩室が発生したとしても自覚症状がみられることはなく、炎症や出血が起きることで何かしらの症状がみられるようになります。なお大腸憩室に出血がみられても腹痛などの症状がみられることは少なく、血便によって発症によって気づくことが大半です。中高年世代によく見受けられるのも特徴です。

●大腸ポリープ

大腸内部(粘膜)に発生したこぶのような突起物のことを言います(大きさ、形、発生部位は様々)。発生の原因は不明な場合もありますが、遺伝子異常で起きることもあります。またポリープの大半は良性腫瘍ですが、稀に大腸がんになることもあります。主な症状ですが、自覚症状は現れにくいと言われますが、ポリープが発生した場所や大きさによっては下痢や便秘などの便通異常が起きるほか、腸内を便が通過する際にポリープに擦れて出血、それによる血便がみられることもあります。大腸カメラによる検査でポリープが見つかった場合、検査中に切除するという場合も少なくないです。

●大腸がん

結腸や直腸に発生するがん(悪性腫瘍)を大腸がんと言います。日本人の食の欧米化が進んだことで、発症率が上昇してきたとされる疾患で、このほか食物繊維の摂取が足りないことも影響していると言われています。発症初期から自覚症状がみられることは少ないですが、ある程度まで病状が進行すると腹痛、血便のほか、下痢や便秘を繰り返す、便が細くなるなどの症状がみられるようになります。上記の症状がみられたら、早めに医療機関を受診されるようにしてください。

検査・治療

血便の症状から原因を特定していく検査としては、血液検査(主に貧血、炎症の有無を調べる)、腹部超音波検査、胃カメラ(黒色便がみられる場合)、大腸カメラ(腸内の出血の有無、炎症、ポリープ、がんなどの病変を確認する)をするなどして、原因を特定していきます。診断がついたら原因疾患に対する治療となりますが、出血がひどい場合は、内視鏡やカテーテルによる止血処置を行うこともあります。

ピロリ菌検査について

当院のピロリ菌検査

ピロリ菌検査機器のイメージ

当院ではピロリ菌検査に精度の高い方法と言われている、尿素呼気試験を採用しております。
ピロリ菌の当日、院内測定が可能です。

院内測定のメリット

  1. 約2分で結果がわかります(呼気採取を含め約30分)
  2. ② 判定結果が陽性の場合、即日、治療介入が可能となります

ピロリ菌と検査について

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に住み着く「細菌」で、除菌をしない限り胃の中に棲み続け、慢性胃炎・胃潰瘍・胃がんなどの病気の原因とも言われています。

ピロリ菌の検査には胃カメラで胃の組織を取って調べる方法(迅速ウレアーゼ試験、顕微鏡検査、組織培養)と、胃カメラを使わない方法(尿素呼気試験、血液や尿のピロリ抗体検査、便中ピロリ抗原検査)がありますが、当院では精度の高い方法と言われている、尿素呼気試験を採用しております。

尿素呼気試験とは

呼気(吐き出した息)を集めて診断する、最も精度の高い方法です。ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素の働きによってつくられる二酸化炭素の量を調べます。

ピロリ菌の治療(除菌)

治療(除菌療法)は2種類の抗菌薬と1種類の胃酸の分泌を抑える薬を1日2回、7日間内服します。これにより約93%の方が除菌に成功します。
除菌できなかった方は抗菌薬の組み合わせを変えて再度治療を行います。